風の谷のナウシカの漫画版を改めて全巻読んだたぬきち。
その完成度の高さに感動しました。
それは多くの知識・経験を得た今だからこそ感じられるものであったと思います。
宮崎駿は今までの記事で述べた通り、一貫して「日本的価値観」や「自然中心主義価値観」のようなものから作品を描いているとたぬきちは考えています。
(「風立ちぬ」感想 -「真のジブリ好き」かを見分ける試金石。)
本書はその原点であるとともに、最も完成度の高い、宮崎駿の「最高傑作」です。
何が優れているかというと
・自然との共生について、様々な人間の考え方を用いて、深く描かれ、その重要性・必須性について理性的にも感性的にも訴えている
・人間の欲について、西洋の宗教のように人格者になることが唯一の解ではなく、醜い欲をも受け入れることが人間臭く、それが自然体の人間なのだとし、そのような醜さも含めて「前を向いて生きていく」ことを示し、欲との共生も描いている。
このような考え方はたぬきちの考え方とも合致することで共感し、これを描いた宮崎駿を改めて凄いと感じました。
最後に、本書最終巻の最後に「生きねば」という言葉があります。
これは「風立ちぬ」の「生きねば」ともつながります。
つまり、風の谷のナウシカに始まり、風立ちぬで終わる、
宮崎駿の完成された作品暦につながるのでしょう。
このファンタジーから得られた示唆を、
未来の世界への現実的な貢献につなげるために、
たぬきちも考え抜いていきたいです。
ほらあなより愛をこめて
たぬきち
徳間書店
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