ども、兼業農家でもあるたぬきちです。
「のうりん」は白鳥士郎(イラストは切符)著作のGA文庫(SBクリエイティブ)のライトノベル。
農業が舞台といえば「銀の匙」「JA」といったものがあるが、数少ない方向性の一作です。
下ネタとパロディ満載の品のない作品であるが、農業を伝えるという役割に貢献しているともいえます。
そんな本作から真面目な「名言」を抜き出してみます。
都会と田舎、どっちが好きとかじゃなくて、お互いをつなぐ道があるんじゃないか。
「あのさ、農業していてうれしいことも楽しいことももちろんあるよ。それでも農業をする人が減るってことは、報われることが少ないからなんだと思う。必死に働いたからって、それほどお金が稼げるわけじゃない。収入だって不安定だ」
「だったら…だったらどうして農業をするの?」
「わからない…僕もまだ、そのわけを見つけられていないんだ」
「林檎からしたら、この辺りってすごい田舎だよね」
「でもこの景色の中に本来の自然はもうどこにもないんだよ。田んぼも畑も、山も道も川も、人間が何世代もかけてゆっくりと築きあげてきたものなんだ。僕らの先輩達は過酷で残酷な自然に立ち向かっていった。ここだけじゃない。僕達が住んでいる場所はそうやって人間が自然と戦ったあと…戦場なんだ」
「農業だって辛い事もたくさんあるけど作物が成長していくのを見るのは理屈抜きで楽しいよね。この景色を作った人も、そうだと思うんだ。ここがどんな町になるか想像して、はるか未来の僕らのことを夢見て、それを楽しみにしてがんばったんだと思う。もしかしたら僕が作った野菜を食べて誰かが元気を出してくれて、そして将来スゴい人になるかも知れない。そうじゃなくても、明日もまたがんばろうって思ってくれるなら…きっとそれが未来の景色につながってるんだと思う。僕はそんな力のある作物を作りたい。だから続けているんだと思う、農業を」
ほらあなより愛をこめて
たぬきち
- 作者: 白鳥士郎,切符
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