日本を代表するアニメ映画といば、宮崎駿だろう。
ジブリ映画として、数多くの名作を世に送り出した功績は大きい。
その後継者として、ポスト宮﨑駿と言われるのが「細田守」である。
今日はこのことについて、考えを書いていきたい。
以下のたぬきち個人的な考えのため、その辺を考慮の上で受け取ってほしい。
宮﨑駿は「自然と人間の関係」を描くのが上手い。
その描き方は、日本的価値観ともいうべき、「自然との共生」を主体として描かれている。
欧米のような「自然を支配しコントロールする」ような価値観とは描かれ方が違う。 むしろ、このような価値観は敵として描かれることが多い。
「天空の城ラピュタ」、「もののけ姫」、「風の谷のナウシカ」等、ほとんどの作品がそれに該当している。
一方、細田守の作品はというと、「時をかける少女」は別として、
「サマーウォーズ」、「おおかみこどもの雨と雪」は、上記の価値観と近い描かれ方をしている。
人間と自然の関係性といえば、「おおかみこどもの雨と雪」はど直球でそれに該当する。
しかし、宮﨑駿と細田守の作品の決定的な違いが、ストーリーの雰囲気と、描き方である。
宮﨑駿は、ストーリをあくまで「自然に」描き、実写映画で言うと「古典的」な描き方をしているといえる。 一方、細田守は「奇抜さ」を組み込み、「アート的な」描き方で「現代的」といえるのではないだろうか。
今後、何十年も変わらぬ面白さを持ち、飽きずに何度も見たいと思わせる映画はのは宮﨑駿のような描き方であろう。
細田守は確かに面白いが、何十年後にもう一度見たいと思えるか、そしてもう一度見た時に「面白い」と感じるかは微妙ではないだろうか。
現時点では細田守は宮﨑駿の後継者「筆頭候補」であるといえるが、それが「真の後継者」に昇格するかは、今後の細田映画にかかっている。
たぬきちはぜひとも、そのような真のポスト宮﨑駿に、細田守監督にはなっていただきたいと願っている。
ほらあなより愛をこめて たぬきち
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