投資家たぬきちのブログ

都心から鎌倉移住した兼業投資家サーファー。株式投資からFXメインとなり目標10億を目指す日々を綴ったブログ。

「風立ちぬ」感想 -「真のジブリ好き」かを見分ける試金石。

ジブリ最新作、「風立ちぬ」を見たので、その感想。

たぬきちの「風立ちぬ」感想をまとめると、以下のとおり。

1. 主人公が「真面目なイノベーター」でかっこいい。

失敗・挫折を重ねながら、幼い頃にみた「夢」を一貫して追求し、努力を重ね、夢の実現に近づいていく姿は、まさにイノベーションを起こす研究者・芸術家・起業家そのもの。

2. 献身的な愛と察する心という美しい日本的価値観。

後半の切ない愛のストーリーは、「仕事か愛する人か」という単純なものではなく、夢・仕事・愛する人・家族・関係する全ての人のことを、それぞれの登場人物が考え、所与の制約の中で「最善の結果」を追求することであったと思う。そこで、全てを懸けて夫に美しい姿だけ見せたい・夫に夢を実現してほしいというヒロインの純粋な思いと、その思いを知っているからこそ、本当は妻が一番であるが、仕事に没頭する主人公、そして彼らの選択を見守るという選択をした周りの人々。この「相手の思いを察して」、「無条件の献身的な愛を示す」行為が、日本固有の美しい価値観を表しているように感じる。

3. 非情な現実。これは理想ばかりのファンタジーではない。

いつものジブリはファンタジーであり、現実的な面が少ない。しかし本作品はあくまでも「現実」を意識させられる。このことが、本作品を「ダメな作品」と評する人々の根底にはあるのではないか。彼らは「理想」の「心地よい」世界を見たかったのに、アンハッピー?な現実を見せつけられて残念だったのだろう。しかし、人生で一度でも挫折を経験した人ならわかる。「現実は甘くない」ということを。3・11の地震のように。主人公は努力家で、才能にも恵まれ夢を追い続ける。幾度となる挫折を経験するが、それでもめげずに、愛する人と夢を実現する。しかし、その結果が、愛する人を失い、戦争の道具を作ったという現実だ。それでも、「生きねば」ならない。生きていれば、もっと大きな「夢」を実現することができるからだと伝えたいのかもしれない。それが「人生」と。

主人公の行ったことは無駄だったのだろうか。人生の大半をかけて達成したことが、結果的に「戦争の道具をつくること」と「愛する人との時間を少なくしたこと」につながるからだ。

たぬきちは、そうとは思わない。

なぜなら、彼は「夢を追いかけ」、「夢を実現した」のだから。

彼が夢を追いかけなかったら、そもそも愛する人と出会わなかっただろう。
愛する人も、本当の愛を知らずに、死んでしまったかもしれない。
というか、彼女は死ぬときは幸せだっただろう。
なぜなら、最も美しい姿で一緒にいられて、夢の実現を手助けでき、死ぬときまで、相手のために行動できたのだから。

彼が「夢を実現」していなかったら、戦争の結果はもっと良いものだったのだろうか?
彼の武器を持たずにいたら、日本は植民地化されていたかもしれない。
むしろ、より多くの人が犠牲になったかもしれない。
しかし、これは全く定かではない。
けれでも、「戦争の後に」彼の技術は人々に役立っただろう。
さらに、彼はその後も「生きて」、最大の挫折から立ち直り、より大きな夢を実現したかもしれないのだから。

真のジブリファンとは、ただジブリ的ファンタジーが面白く好きだというのではなく、ジブリ作品に描かれる、日本的価値観に由来する「自然の美しさ」や「人の美しさ」を感じ、それを『良い」と思っている人だと思う。

その意味において、今回の「風立ちぬ」という作品は、最も「ジブリらしい作品」といってもよく、真のジブリファンなら間違いなく「好感」を持てる作品だと思う。

しかし、これには「前提条件」がある。
それは、この作品の深い部分を感じることができるほど、「人生経験」を積んでいる人であり、
少しでも夢を追いかけ、挫折した経験のある人である。
むしろ、この作品をつまらないという人は、起伏のない平坦な、「つまらない人生」を歩んできた人なのかもしれない。

ってちょっと、言い過ぎました。

とにかく、「面白い」のでぜひご鑑賞あれ。


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ちなみにたぬきちの愛用映画館は「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」。

スクリーンが大きく、席も座りやすく見やすくて、

なにより、ポップコーンと飲み物を置ける台があるのだ!!!
(たぬきちはいつもペアセットで、キャラメルと塩バターのハーフを食べながら見ているから、この点は重要ポイント!)

あと、人も少なめだし、マナーもいいほうなので、映画を楽しみたい人にはおすすめしたい場所。


って昨日今日と、ブログの主旨とは関係のないことを書いてしまった・・・

まぁ、たまにはいいか

ほらあなより愛をこめて、たぬきち。

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