投資家たぬきちのブログ

地方×都会のデュアルライフとシンプルライフを実践する、兼業投資家のたぬきちだよ

設計情報転写論のパラダイムで人材のコモディティ化を最大限利用するブラック企業を考察する。

設計情報転写論とは

ものづくり研究におけるニュートンの法則のような位置といわれるほどの
設計情報転写パラダイム。

東京大学大学院経済額研究科の藤本隆教授が構想したものであり、
ものづくりを情報の転写と捉えることで、他分野のさまざまな商品の製造のプロセスを
比較・分析可能にした画期的なものと言われている(新しい市場のつくりかた から引用しています。)

人工物の製造行為全体を科学的に比較分析できるようになったのである。

ものが形を変えて製品になるというパラダイムを、
本来の、本質的で当たり前のことである、ものに情報を転写することで製品ができるというパラダイムへ
移行したのが本理論の優れた点でもある。

設計情報転写論が生きる前提条件として、原料が「均質」であることである。

原料がプラスティックであれば、機械的に仏像を作ることが可能であるが、
原料が自然界の石であると、石によって模様・硬さが違い、機械的に作ることが困難になる。

この「機械的に」つくるための「設計情報」を「原料」に転写することが設計情報転写論である。

ここで、同じことを「サービス業」で考えてみよう。

サービス業の原料は「人材」である。

「均質化された人材」を使うことで、設計情報転写論の理屈がそのまま適用できる。

「均質化された人材」とは「人材のコモディティ化」にほかならない。

これを最大限利用しているのがブラック企業である。
なぜなら、コモディティ化された人材は「代替」が効く。
したがって、短期間で人材を「潰し」てもすぐに代わりを見つけられるというわけだ。
だから、ブラック企業は人材を徹底的に使い倒せるわけなのだ。

大企業もブラックでないだけで同じようなものである。
ある一定水準の均質化した人材を雇い入れ、「歯車」としてチューニングしていく。
大企業にいった優秀な人材が、成長できずに落ちていく理由もここにある。
その大企業にだけあうようにチューニングされた人材は外の世界に出たとき、
その身につけた能力は全く役に立たなくなるのである。

ポスドクなどの「オーバークオリファイド」の問題も同じである。

「均質化」されていない「異能」の人材を大企業が雇わないのも頷ける。
「異能の人材」を雇わなかったことが、現在の日本の大企業の低迷につながっていることは明らかであるにも関わらず。

以上のように「設計情報転写論」は非常に用途が広い。

そこでたぬきちはサービス業と製造業の融合という観点からそれを捉え、
起業につなげられる示唆はないかと考えた。

農業を対象として考えてみたい。がそれはまた次回にしておこう。

設計情報転写論は以下の書籍にわかりやすく紹介されています。

新しい市場のつくりかた
三宅 秀道
東洋経済新報社
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